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001.バグ(bug)
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プログラム内のエラーのこと。
 虫がエラーを引き起こすという発想は少なくともエジソンの時代からあった。機械がたび たび故障するのは機械内部に潜むこの虫(bug)のせいだと思う向きがあった。
 これはもちろんエジソンらが真剣にそう思っていたわけではなく、「カミナリさまがおへ そをとってしまう」的な単なるイメージ上の概念の話である。コンピュータのプログラム上 の誤りをバグというようになったのは、コンピュータ初期における次の出来事がきっかけだ といわれている。
 ある日大型計算機が誤動作を起こした。思うところがあった技師は、計算機の中を空けて 見ると、そこには1匹の蛾(Moth)が入り込んでいて、これが機械をショートさせている原因 となっていた。仮想であるはずの虫が本物(リアル)であったという事実は、ジョーク好きのア メリカ人に大いに受けて、なんとスミソニアン博物館に「実際に発見された虫第1号」とし て虫が陳列してあるそうな。
 リアルな「虫」の仕業による逸話をもう1つ。技師がエラーの原因を調べるべくパンチカ ードを調べていると、ある箇所に点のようなシミがあることに気づいた。よく見るとそれは 小さな虫がパンチカードにへばりついていたのであった。これがエラーの原因となっていた のだが、この話もリアルな「虫」の発見例の1つとしてよく知られている。
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002.バグフィクス(bug fix)
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バグを修正すること。
 この場合の fix は「固定する」ではなく、「修理する、調整する」という意味である。

   fix a flat tire. (パンクしたタイヤを修理する.)

 従ってバグフィクスは「バグを固定する」ではなく、「バグを修正する」という意味にな る。そして、見つかった(報告された)バグを全て修正したバージョンのことを, バグフィクス・バージョンという。
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003.デフォルト(default)
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初期値
  "default" は本来「さぼる」という意味だが、経済用語では「債務不履行」、技術系用語 では「初期値、工場出荷時設定」という意味がある。
 数年前ロシアが「債務不履行」に陥って、世界の株価が大暴落したことがあった。この頃から "default" イコール「債務不履行」という経済用語が一般にも定着しだした。 また最近の長引く不況で "default" という言葉も経済ニュースでよく使われるようにもなっている。
 理工系出身者にとっての "default" は「工場出荷時設定」以外の何者でもないのだが、 一般の人用?に少し説明をすると、例えば TV は地域によってチャンネル設定が大きく異なっている。 そこで、出荷する地域に合わせて予めチャンネル設定を工場内で行っておく必要があり、この設定 のことをデフォルトという。地域に合わせたデフォルトを決めておくことによって、消費者が自ら の地域の設定をすることなしにそのまま使うことが可能になる。
 すなわち、この初期設定によって消費者が自らの地域にあったチャンネル設定を「さぼる」ことが できる。これは「債務不履行」場合においても、支払い義務を「さぼる」のでこういったことがらを 一般にデフォルトという。
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004.16/24 bitカラー
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ディスプレーに表示される色数
 16 bit は約 6 万 5 千色、24 bit は約 1 千 600 万色を意味する。しかし、この bit カラーという概念 にはいくつかの説明が必要だ。色は光の三原色 RGB の組み合わせによってつくるのだが、16 bit カラーは RGB を 5, 6, 5 bit ずつ則ち 32, 64, 32 の各階調の組み合わせによってつくる。
 ハード面の事情から、パソコンでは2の累乗数 2, 4, 8, 16 ・・・ が随所に使われるのだが、この 16 という数字も 3 で割り切れないにもかかわらず、色数の標準になってしまった。人間が識別 できる色数は約 6万色ぐらいといわれ、この辺から 16 bitカラーという概念が生まれたようである。 RGB の組み合わせの中で"Green"を多くしたのは、人間の目の網膜が緑に対してより敏感に感じるこ とによる。当初は RGB を均等に割り付けた 15 bitカラー(3万 2千色)もあったが、残りの 1 bit も有効 に使いたいことの要求から 5, 6, 5 の割り当てによる 16 bit カラーが生まれた。
 しかし、サードパーティの多い Windows ではいち早くカラーの 16 bit 化が進んだが、部品競争の 少ない MAC では暫く 15 bitがカラーの標準色となった。MAC イコール 3 万 2 千色というイメージも懐かしい人が多いのではなかろうか。
 24 bit は3で割り切れるので、各色 8 bit 階調則ち 256 階調となっている。2の累乗数で 16 の次は 32 なのだが、ここはさすがに現実に合わせた数となっっている。しかし、ハードの設計上 32 bitを つくってしまうことから、色数は出せないことを承知で 32 bit カラーを表示しているパソコンも 多い。POV-RAY などでは 32 bit 発色を可能にしているが、実際にそれを発色させるディスプレイが 一般にはないため、現在は 24 bit カラーが事実上の最高発色数となっている。
 この 24, 32 bit の正確な数値を知るには、Perl で次のようにすればよい。

 use Math::BigInt ;
 $a = new Math::BigInt 2 ;
 $b = $a**24 ;
 $c = $a**32 ;
 print "24 bit = $b\n32 bit = $c" ;

 <実行結果>
 24 bit = +16777216
 32 bit = +4294967296
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005.CMYKカラー
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インクの3原色
 シアン(Cyan),マゼンタ(Magenta),イエロー(Yellow)、これが絵の具の3原色である。これに通常 使うブラック(Black)を加えてプリンタでのインクの基本色としている。 しかし、理論上はCMYで全ての色がつくれるといっても、物理的な顔料(インク)にそんな理想的な ものはなく、出にくい色は補充して色を更に1色2色追加しているプリンタもある。
 しかし、この「色」に関してはまだまだ謎の部分も多く、光の3原色が何故RGBなのか(GはRとB の中間の波長ではない)、絵の具の3原色が何故CMYなのかといった疑問も残る。CMYはRGBの 2色の重なりによって生まれる色だが、何故そういう補間の関係にあるのかもよく分からない。
 パソコン画面の内容をプリンタで打ち出すと、画面と色合いが違って出る!といった経験もよくある と思う。プリンタが安いやつだから..という訳ばかりではない。パソコンの画面は発光色だから、 光の3原色でつくり、プリンタの出力は絵の具の3原色によってつくる。すなわちRGBの組み合わせ によってつくるデータを、CMYによってつくるデータに変換して出力しなければならないのだ。
 この変換を画像ソフトなりプリンタドライバがきちんと行わなければならないのだが、実は画面には 輝度(ピカピカ光る発色度)というものがあり、これが本物の見た目の印象をかなり変えている場合が多い。 従って、まずプリンタに文句をいう前に、「白」の紙を画面にあてて現実の白と画面上の白とを一致させる 輝度調整が必要である。
 一般に(グラフィック用でない)安いディスプレイはピカピカして輝度が高く(本物をごまかしている)、 高いディスプレイほど輝度の低いくすんだ画面になっている。これは正確な表現ではないが、果物にワックス を塗ってピカピカにしている様に似ている。
 従って、CMYKカラーによって高品位なカラーを出すには、1にディスプレー調整、2にきちんとした CMYK変換、3に良いプリンタとなる。(最近のプリンタは性能がいいので、ほとんどは1,2によるところが多い。)
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006.ユビキタス
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いたるところにある
 指来たす、指切ったす! ..日本語の発音でなんとも奇妙なこの単語はラテン語で「至るところにある」 「偏在する」という意味を持つ。元々は「神様はどこにでもいる」という意味だが、コンピュータの世界では最近ユビキタス・コンピューティング、「どこでもコンピュータ」といった使われ方をする。インターネットの世界では ファーストフード店や駅校内で使える「無線LAN」が登場し、ユビキタス・インターネット(どこでもインターネット) も実現し始めている。
 国内ではこのユビキタスを支援するために 2002.3 総務省認可法人 TAO(通信放送機構)のバックアップのもと産学共同の 形で「YRPユビキタス・ネットワーキング研究所」が設立された。実はこのユビキタス研究所の主な目的はコンピュータ やインターネットそのものではなく、家電製品の 95 % 以上に組み込まれている「トロン」チップの普及にある。
 「トロン」は Windows や MAC に対抗する純国産 OS として注目を集めたが、結局は携帯電話や家電といったところに 存在意義を見いだし、この見えない OS 家電 OS の「標準」となっっている。ビデオ、TV、冷蔵庫といった家電のいたる ところににこの「トロン」チップが組み込まれ、携帯電話などのリモート操作によって全てをコントロールしようという 試みが急ピッチで進んでいる。従って、国内でユビキタスというと、この「トロン」チップによる家電ネットワークを 指す場合が多い。
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007.CGI
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Common Gateway Interface
 CGI はフルスペリングをいわれても、その意味は分からない有名な単語の1つである。 要はインターフェイスなのだが、このインターフェイスは、インターネット・サーバー内でのデータの やり取りを行う。インターフェイスは日本語に訳しずらいが「接点」と訳される。 キーボードやマウスはパソコン本体に入力を与える「入力インターフェイス」である。しかし、 この「入力インターフェイス」は一方通行で双方向ではない。
 CGI はサーバー内でデータを双方向にやりとりする「双方向インターフェイス」である。 インターネット・サーバーには MAC, PC (Windows マシンのこと) や Linux マシンからの入力が行われる。しかもそれぞれには Version の違い(Win 95/98/2000/XP など)や、言語の違い(英語、日本語、中国語..)が存在する。 インターネット・サーバーにはこれらの違いを全てひっくるめてデータのやり取りを行う「共通扉」 があり、これを Commmon Gateway という。
  Internet Explorer の画面で入力された情報は、CGI フィルターを通してサーバー内に直接 書き込まれる。これをサーバー内部にある Perl が処理してその結果をまた CGI 経由で Internet Explorer の画面に返す。この CGI を通じてデータを双方向に返すことを、一般には CGI と呼ぶことも多い。(注.CGI は Perl 以外にも C などで利用可能。)
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