海上に巨大な風力発電所を造り、新しいエネルギーとして活用しようという研究会が、九州大の研究者を中心に発足した。 高強度の新素材や効率的な風車、水素貯蔵などの最新技術を組み合わせ、原発一基分に相当する100万キロワット級の発電を 低コストで目指す。資金のめどが付けば6、7年で技術確立が可能という。 研究会の音頭を取ったのは、強度や加工しやすさに優れる炭素繊維を研究開発した九州大の太田俊昭名誉教授(構造工学)。 同大のほか、京都大、宮崎大など国内外の七大学から建設・建築学、海洋生物学の研究者が集まった。 構想によると、海上にハチの巣状に浮かべた6角形のコンクリート構造物(一辺300メートル)の上に、従来の2倍以上 の風力を得る直径100メートルの風車を設置する。送電線は使わず、得られた電力で海水を電気分解して水素をつくり、その 水素を船で陸に輸送して水素発電や燃料電池に使う。 新素材の耐用年数は100年以上とされ、発電コストは原発の半分以下に抑えられる。6角形の浮体の内部を養殖場にする ことで、漁業補償の問題も解決できるとしている。 太田名誉教授は「他国のエネルギー政策に左右されない自前の技術を確立するチャンスだ」と意気込んでいる。 | ||
- 共同 2006年11月27日 08時28分 - |